問いかけのモデル

毎日一人ずつ発表させている。
今のところ、学生は自分のことを話すというより、どこかで聞いた話などを発表することが多い。それはそれでいいと思う。自己開示をしたい人もそうでない人もいるからだ。


ただ、質問が物足りない。
学生がする質問は、話の中に出てきた単語の説明や、内容に関する確認のことが多い。つまり、表面的な質問だ。それだけでは、せっかくの発表が豊かにならない。
話をして、終わり。発表の準備にかける時間の割には得るものが少ない。
そこから脱するには、「なぜ、これを発表するのか」という問いが有効なのではないか。


今日は、質問が出なかった。
そこで、私から質問した。


教師:「なぜ、この話を選んだのか」
学生:「ロマンチックだと思うから」
教師:「では、どこがロマンチックなのか」
学生:「20年間も彼女が『龍之介』を待ちつづけたところ」
教師:「では、あなたが彼女だったら、20年間待てるか?」
学生:「待てると思う。その彼のことが本当に好きだから」
一同:「おおお」
用意してきた話のあらすじを話していたときよりも、発表者の隠れてた考えが出てきて、発表がふくらんだ。そこから、新たに学生の質問も出てきた。


しばらくしつこく「なぜ、これを発表するのか」という問いを投げかけようと思う。そして「先生、いっつもそれを聞くなあ。耳タコだよ」と思ってもらえればしめたもの。
そうなったら、意識的に質問の仕方について話そうかと思う。
違う角度からの質問があることを学んで欲しい。